生命保険契約照会制度とは?新たに始まった生命保険の確認方法

1.生命保険契約があるか分からない

被相続人が生命保険に加入していたかどうか、判然としないケースは珍しくありません。

保険証券などの資料を運よく見つけることができればその保険会社に問い合わせることができます。

しかし、「保険証券などの資料はないが、保険に入っていたようなことを聞いたことがある」程度の場合。

保険金がないかもしれないし、あるかもしれない。

調べたけど分からない、となった。

このような場合、あらたに始まった制度により、保険契約の有無の確認が容易になったので以下で解説していきます。

2.生命保険契約照会制度

令和3年7月1日から、生命保険の存在が分からない場合の確認方法として、あらたに一般社団法人生命保険協会(以下、協会)が行う「生命保険契約照会制度」が始まりました。

どういう制度なのか。

まず、相続人などの照会者が、協会に対し生命保険の有無を照会します。

照会を受けた協会は加盟している保険会社(日本で営業する生命保険会社全社が加盟しています)に連絡し、照会対象者が生命保険の契約者または被保険者となっているか、調査確認してくれます。

生命保険協会が窓口となり加盟会社に一括で保険の有無を照会してくれる、かなり便利な制度です。

この制度を利用すれば、わざわざ個別に問い合わせる必要がなく、請求漏れを回避できます。

3.だれが利用できる?

相続の場面において、この制度を利用できる者(照会者となれる)は以下の者になります。

◆照会対象者の相続人

◆照会対象者の相続人の法定代理人

成年後見人や親権者です。

◆照会対象者の相続人の任意代理人

弁護士や司法書士などの専門家が主になります。

◆照会対象者の遺言執行者

4.何が必要?

照会にあたっては以下のように照会者ごとに、照会する権限があることを証明する書類が必要になります。

なお、共通の書類として、照会対象者の死亡診断書も必要になります。

◆相続人が照会・・・照会者が相続人であることを証明する戸籍

◆相続人の法定代理人が照会・・・戸籍に加え、後見登記事項証明書など

◆相続人の任意代理人が照会・・・戸籍に加え、委任状

◆遺言執行者が照会・・・遺言書、遺言者の死亡の記載ある除籍など

なお、遺言書で指定された遺言執行者ではなく、家庭裁判所で選任された遺言執行者が照会する場合は、家庭裁判所の選任審判書が必要になると思われます。

5.手数料は?

タダで照会できるわけではなく、照会1件につき3,000円の手数料がかかります。

照会、調査の結果、契約が存在しなかった場合であっても、返金されることはありません。

6.保険金の支払い請求までしてくれる?

この制度はあくまで生命保険契約の有無の確認、調査に限られるため、実際に保険金を請求したい、となれば、該当保険会社に対して別途、請求手続きを行う必要があります。

協会が代わりに保険金支払いの手続きまでを行ってくれるわけではないので注意を要します。

7.まとめ

生命保険契約の有無の調査は、資料が手元にない場合、困難なケースが往々にしてありましたが、生命保険契約照会制度の運用開始によって相続人などの負担がかなり軽減されることが期待されます。

 

この制度の概要について詳しくは<協会ホームページ>をご覧ください。

関連記事