相続登記で登録免許税を払わなくてもよいケース

1.相続登記にはお金がかかる?

相続登記の義務化が近づいてきましたが(令和6年4月1日からスタート)、やはり登記にあたっては金銭的な面も気になるところではないでしょうか。

相続登記に必要な費用としては、以下のものが考えられます。

専門家への報酬

司法書士などの専門家に依頼した場合は、その報酬が発生します。

報酬額は自由に設定できるので、司法書士によって当然変わってきます。

参考に、弊所の料金は<こちら>になります。

実費

実費(だれがやってもかかるお金)としては、登録免許税、登記簿や戸籍謄本の取得費、送料などです。

このうち、法務局に納める「登録免許税」が大きな部分を占めます。

登記をするには税金がかかるということです。

2.相続登記の場面では免税になることも

登記をする場合は税金がかかるのが原則ですが、免税となる登記もいくつかあります。

相続登記の場面でも、実は免税となるケースが規定されています。

亡くなった人名義とする登記

たとえば、土地を持っている父が亡くなり、そのあとに母が亡くなった場合、土地の名義を父から母にすることができます。

母は死亡していますが、登記上、死者名義が可能ということです(実際の申請は相続人が行う)。

このようなケースにおいては、一定の要件のもと登録免許税が免税となります。

 

詳しくは<相続による名義変更登記の際にかかる登録免許税とは>をご覧ください。

100万円以下の土地の登記

固定資産評価額(※)が100万円以下の土地の相続登記においては、登録免許税が免税となります。

従来は10万円以下の土地で、かつ、一定の地域の土地であることが必要でしたが、現在は100万円以下まで、および全国の土地が対象となり、適用範囲が広がりました(ただし、令和7年3月31日までの登記申請が対象です)。

持分移転の場合は、移転する持分に相当する評価額が100万円以下であれば適用されます。

たとえば、180万円の土地があり、そのうち2分の1を相続登記する場合、移転する持分の評価額は100万円以下なので免税の対象となります。

この制度の適用を受けたければ、申請書に「租税特別措置法第84条の2の3第2項により非課税」と記載することが必要です。

記載がない場合は、免税措置を受けれませんので要注意です。

 

※不動産の評価額は「固定資産評価証明書」や「固定資産税納税通知書・課税明細書」に記載されています。

3.まとめ

相続登記が義務化されるということは、どうしてもある程度の出費が伴うことになります。

上述の登録免許税の免税措置を受けることで少しでも負担感を和らげることができるのではないでしょうか。

なお、相続登記の申請義務に違反した場合は一定の要件のもと10万円以下の過料の対象となるのでお気を付けください。

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