
1.孫は相続人ではない
だれが法定相続人かは民法で定められていますが、孫は法定相続人にはあたりません。
何もしなければ、孫に相続させることはできませんが、1代飛ばしで孫に遺産を相続させる方法はいくつかあります。
孫に遺言書を書く
孫に相続させる遺言を書いておけば、孫に遺産を残すことができます。
ただし、他の相続人の遺留分には留意しましょう。
孫に生前贈与する
生前に孫に贈与しておくのです。
その際、当然贈与税も考慮する必要がありますが、特例などが使えるか検討する必要があります。
主には以下のものがありますが、それぞれ要件があるので事前に確認しておくことです。
なお、孫は相続人ではないため、原則、孫が受けた贈与は特別受益にはあたりません。
◆暦年贈与
110万円までは贈与税がかかりません。詳しくは<贈与の活用による相続税の節税(暦年贈与)>
◆相続時精算課税制度の利用
2500万円までは贈与時に贈与税は課税されません。詳しくは<贈与の活用による相続税の節税(相続時精算課税制度)>
◆教育資金贈与
◆住宅購入資金贈与
養子縁組する
養子縁組により、孫は実子と同じく第1順位の相続人となります。
注意点としては、他の相続人の相続分や遺留分が減る場合があります。
相続税の2割加算にも留意しておくことです。詳しくは<節税のため孫を養子とする場合の注意点>
代襲相続
親より子が先に死亡したことにより、孫が相続する場合です。法律上当然に相続人となりますので、特に手続きは不要です。
2.まとめ
以上のとおり、孫に遺産を残す方法はいくつかありますが、孫へ遺産を渡したければ、早めの対策を取っておくことです。
なにが最善の方法か、遺産や相続人との関係、その他の事情を考慮して選択することです。
いずれにしろ、何もしなければ孫が相続することは(代襲相続を除き)ないということです。
ただし、孫に遺産を渡した(渡し過ぎた)結果、他の相続人とトラブルになってしまうこともあるため、十分注意しましょう。