1.相続登記は役所が勝手にしてくれない
不動産の名義を被相続人から相続人に変更することを相続登記といいます。
この相続登記ですが、相続人からの申請によりされます。
死亡届を受けた役所、役場が自動的に行ってくれるわけではありませんし、葬儀会社がしてくれるものでもありません。
あくまで自らで(もしくは司法書士に依頼して)申請しなければならないのです。
詳しくは<自分でできる!相続登記の申請方法や申請書の書き方>
2.固定資産税の請求がくると名義は変わっている?
役所が相続登記を勝手にしませんが、固定資産税の納税通知書は相続人に届きます。
具体的には相続人代表者に届きます。
詳しくは<相続登記をしたらかかってくる税金、かからない税金は?>
ここでよく勘違いされるのが、
「固定資産税の納税通知書が届いたから、名義も変更されていると思った」
「固定資産税を支払ったから名義は変わっているものと思った」
といったところです。
しかし、固定資産税の請求がきたから、支払ったから、といって、それをもって当然に相続人に登記名義が移っているわけではありません。
同じように、「相続税を支払ったから、不動産の名義も変わっている」といった誤解もあります。
いずれも、納税したからといって登記名義が変更されているわけではありません。
税の支払いと名義は関係ないのです。
ちなみに、固定資産税の請求が相続人代表者に届いたとしても、だれの負担とするか、はまずは相続人の合意によります(相続人代表者が当然に負担するわけではありません)。
3.相続登記をしていなくても固定資産税は支払う必要がある
また、「相続登記をしなければ、固定資産税を支払わなくてもよいのか」といったご質問をたまに受けることがありますが、それもまったくの誤解です。
相続登記をしなければ固定資産税を支払う必要がない、といったことは一切ありません。
相続登記がされるまでは法定相続人(相続人代表者)が、相続登記がされて名義が確定した後はその登記名義人が毎年支払うことになります。
4.まとめ
固定資産税の請求と登記名義の誤解について解説しました。
固定資産税の請求がきたり納税したら登記名義が変更される、といったことはありません。
登記をしていなくても、固定資産税はかかってしまいますし、税金を支払っていても登記名義は勝手に変更されません。
いずれにしても、相続登記をしていようがいまいが、税金との関連性がないため(どうせ請求はされる)、相続登記ができる状態であれば早めに登記申請しておくことです。
相続登記の放置はデメリットが多いですが、素早い対応には何もデメリットはありません。
そのままにして次世代に先送りしないで、「できるときに、できることをしておく」ことをオススメします。