以前に書いた遺言、撤回する場合の文例は?

1.遺言書を作り直すなら

一度作った遺言書を訂正したい、内容を変更したい場合には、前の遺言書を撤回してあらたに作り直すことになります。

撤回遺言は前に作成した遺言書と同じ方法である必要はありません。

自筆証書遺言を公正証書遺言で撤回してもいいし、逆も問題ありません。

ここで、作り直すにあたり、1つ注意点があります。

それは、新遺言書の冒頭(本文に入る前)に、以下の文言を入れておくことです。

たとえば、作成済みの公正証書遺言を撤回する場合。

遺言者は、令和●年●月●日付け◎◎地方法務局所属公証人◇◇作成同年第○○号遺言公正証書による遺言を含む、本遺言より前に作成したすべての遺言を撤回し、あらためて以下のとおり遺言する

この文言をいれておくことにより、過去に遺言を作成しており、その作成していた遺言は今回、撤回したことを新遺言書において明示しておくのです。

旧遺言書を処分し忘れていたら・・・。

遺言書がいくつも出てきたら・・・。

不測の事態も想定しておかなければなりません。

明示しておくことにより、無用の争いを予防することができます。

実際のところは、遺言書がいくつも出てきた場合、それらの日付の先後で有効な遺言はどれか、内容に抵触する部分はないかなどを見比べて判断しますが、やはり、無用の混乱を招くおそれもあるため、遺言書の冒頭には以上のような文言を入れておくことをオススメします。

遺言書の撤回について詳しくは<遺言は取り消せる?撤回方法は?>

2.同じ公証役場であれば

一度作った公正証書遺言を撤回して、再度、公正証書遺言を作成する場合、特別な事情のない限り、普通は同じ公証役場(公証人は変わっているかもしれませんが)にて作成します。

経緯を説明すれば、このような文言を入れてくれることでしょう。

3.自筆証書遺言で撤回する場合

あらたに自筆証書遺言を作って以前の遺言を撤回する場合には要注意です。

自筆証書遺言は第三者の関与がまったくなく、自分だけで完結してしまいます。

以上のような文言を入れていないことが想定されます。

したがって、自筆証書遺言で前の遺言を撤回する場合は、争いのタネを残さないよう、留意しておくことです(そもそも、変更後の遺言書が発見されないリスクもあります)。

4.まとめ

作るも自由、やめるも自由。

遺言書の作成は当然ながら、撤回することも遺言者の自由です。

が、そうはいっても撤回した結果、いくつも遺言書が出てくれば、遺された相続人や受遺者、遺言執行者などの関係人が混乱してしまいます。

無用の争いを招くおそれもあります。

そのため、あらたな遺言書には「前に遺言書を作っているが、それは撤回してあらたにこの遺言を書いている」とういうことを明示しておくことをオススメします。

関連記事