預金口座の凍結とは?凍結されるとどうなる?

1.預金口座の凍結

「口座凍結」という言葉を聞いたことがあるかと思います。

これは、金融機関が預金者の死亡の事実を知ることにより、その者の口座について、出入金などの取引一切を停止することです。

口座を凍結することによって、金融機関が相続トラブルに巻き込まれるリスクを減らす、いわば金融機関の保全措置です。

口座凍結しないで、相続人だからといって払戻しに応じたことにより、真実の相続人から訴訟を提起されるおそれもあります。

そのようなことにならないよう、金融機関としても、死亡の事実を知るといったん口座を凍結します。

「口座を凍結して出入金停止にすれば、少なくとも凍結後の預金の出し入れを巡っては争いは起こらない、巻き込まれない」ということです。

なお、口座が凍結されても、他の銀行の口座まで凍結されることはありません。

また、銀行が死亡の事実を他の銀行に伝えることはありません。

2.凍結されるとどうなる?

口座が凍結されると以下のような状態になり、一定の不都合が生じます。

◆預金を引き出すことや振り込みができなくなる

なお、相続法改正により、預金の払い戻し制度が規定されました。詳しくは<遺産分割が終わるまで預金を引き出せない?遺産分割前の預貯金の払戻制度>

◆公共料金やクレジットカードの各種支払いの引き落としができなくなる

◆被相続人が賃貸アパートなどの大家の場合、賃借人が家賃を振込むことができなくなる

◆ATMでの残高確認ができなくなる(窓口では可)

3.凍結前にやっておくこと

凍結される前に、速やかに引き落とし先口座の変更や解約、賃借人などの入金元への連絡など、事前に周知をしておくことです。

忘れてしまうと、引き落としがされず、料金滞納により電気やガスが止まってしまうおそれがあります。

また、賃借人は賃料を入金できないため、伝えておかないと再振込みなどで手間や迷惑をかけてしまいますし、何よりも不安にさせてしまいます。

したがって、凍結前には口座から各種引き落とし、支払いなどがされないよう整理しておくことです。

4.場合によっては速やかに死亡連絡する

前述のとおり、凍結すると基本的にその口座にまつわる手続きの一切を取ることができなくなります。

しかし、他の相続人が勝手に預金を引き出すおそれがある場合、むしろ積極的に金融機関に伝えて凍結してもらうのも手です。

なお、金融機関が死亡を把握する前に、手元に通帳やカードがあるからといって、むやみに預金を引き出す行為は「使途不明金」とされて相続人間の紛争に発展する可能性が高いですので、やめておきましょう。詳しくは<遺産の不正使用の疑いや遺産を隠している場合は?>

5.金融機関が預金者の死亡の事実を知るケースは?

金融機関が死亡の事実を知るケースとしては、次の場合があります。

なお、役所や年金事務所から金融機関に死亡の連絡がいくことはありませんし、金融機関が自ら死亡の有無を調査するようなことはありません。

◆相続人からの申告、問い合わせ

相続人が、「預金者が、この度死亡したがどうすればよいか」「相続手続きをしたいのだが」といった問い合わせで金融機関が死亡の事実を知ることが多いです。

◆新聞のお悔やみ欄

新聞や地域新聞、回覧板などに記載されているお悔やみ欄から判明する場合があります。

◆法人登記簿を提出する場面で預金者である役員の死亡登記がされている

手続き上、金融機関に法人登記簿を提出する場合がありますが、その登記簿の役員欄に、預金者である役員の死亡登記がされている場合です。

6.まとめ

口座凍結されると、基本的に口座はロックされます。

一度でも口座が凍結されてしまうと、凍結が解除されて従前どおりその口座が使えるということはありませんので、凍結前には各種支払いなどの変更手続きは済ませておくことです。

死亡に伴い様々な費用がかかってきますが、凍結された後の口座の解約、払戻しは相続手続きによる必要があります。詳しくは<銀行口座を相続した際の名義変更の手順、ポイント>

支払いができないといったことのないように、相続手続きは速やかに行うことです。

手続きを忘れてしまい、口座をそのまま長期間放置すると、「休眠預金」として、預金保険機構に移管される可能性があります。詳しくは<自分でも簡単にできる!相続財産の調査方法>

ご自分での手続きに不安があるのであれば、専門家に相談することをオススメします。

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