遺言とは異なる遺産分割協議、贈与税はかかる?

遺言書とは異なる遺産分割協議を行うこと自体、可能です。

ただし、遺言執行者がいる場合や相続人以外の者が受遺者の場合はそれらの者の承諾が必要になるため、無条件に認められるわけではありません。詳しくは<遺言書があるのに遺産分割協議はできる?遺言内容と異なってもいい?>

1.遺言と異なる遺産分割をすると贈与税がかかる?

遺言書と異なる遺産分割協議が成立した場合の疑問点として、贈与税がかかってしまうかどうかです。

つまり、本来その遺言によって相続できた者(受遺者)から他の相続人への贈与による移転と判断されてしまえば、贈与税が課税されてしまう可能性があります。

たとえば、「妻Aに全財産を相続させる」との遺言があったとします。

しかし、相続人全員で遺産分割協議を行い、その結果、妻A3分の2、子B3分の1で相続したとします。

この場合、Aが遺産を取得したあとに、AからBへの贈与(3分の1)にあたるとされ、贈与税の対象となってしまうかどうかです。

2.贈与にはあたらない?

贈与にあたるかあたらないか、どちらとも取れそうな感じがしますが、この場合は贈与にはあたりません。

相続人間で通常の遺産分割協議が行われたとみるため贈与ではなく、したがって贈与税の問題も出てこないのです(ただし、相続税の問題はあります)。

そのことが国税庁ホームページでも解説されていますので、ご参照ください(国税庁ホームページ)

なお、相続人間で確定した遺産分割をあらためてやり直す場合は、相続人間での贈与とみられ、場合によっては贈与税の問題が出てきますので要注意です。詳しくは<遺産分割協議はやり直せる?遺産分割の法定解除、合意解除>

3.まとめ

相続人の置かれた状況や実情に合わせて遺言内容とは異なる内容での遺産分割を行うこともあるのではないでしょうか。

遺言書があったとしても、原則、相続人全員が合意のうえであれば遺言書とは異なる内容での遺産分割協議は可能です。

この場合、

「相続人間での贈与にあたるのではないか」

「贈与税がかかってしまうのではないか」

とのご質問を受けることがありますが、以上のとおり受遺者から他の相続人への贈与にはあたらないため、贈与税はかかりません。

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