申請してすぐ終わり?登記が完了するまでの日数

「登記の申請」とは管轄法務局に登記申請書とその添付書面を提出し、登録免許税を納付することですが、「完了までの日数はどれくらいかかるのか」といったご質問をよくいただきますので、以下でご説明いたします。

1.登記申請までの流れ

登記のご依頼をいただいた場合、登記の申請までは一般的に以下の流れで進むことになります。

①書類作成、書類収集

ご依頼いただいたあと、当事務所で登記に必要な書類を作成します。

あわせて、戸籍や印鑑証明書といった公的書類をご依頼者様にお取りいただくか、別途、ご依頼いただければ戸籍や住民票など当事務所の方で取れるものを取得します。

②必要書類の送付、返送

ご依頼者様にご署名、押印いただく書類(委任状や遺産分割協議書など)ができましたら、当事務所よりお送りいたしますので、ご署名、押印後、返送していただきます。

③最終チェック、申請

揃った書類を再度チェックして、申請しても問題がない状態になりましたら、管轄法務局に登記申請いたします。

なお、当事務所はオンライン申請に対応しておりますので、全国どこの法務局であってもお応えいたします。

2.申請後、法務局での審査

登記を申請すると、法務局にて申請された登記が審査がされます。

申請すれば即終わり、ではありません。

たとえば、相続登記を申請したとすれば、登記上のAと被相続人のAが同一人か、その相続人はだれか、だれが不動産を取得するのか、登録免許税はいくらか、ちゃんと納付されているか、などなど提出した申請書、添付書面をもとに、登記官が厳格に書類審査をしていきます。

この審査が完了しなければ、登記が完了した、とはなりません。

審査の結果、問題なければ、いわゆる登記簿に申請した登記内容が反映され、あらたに所有権名義を取得した者に登記識別情報(いわゆる権利書)が交付されます。

3.完了までの日数はどれくらい

では、登記申請後、その登記が実際に完了するまではどれくらいか、ですが、だいたい10日前後とお伝えしています。

ただ、登記完了の日は管轄法務局の取扱件数や時期によってかなり左右されます。

都会と地方ではそもそもの申請件数が違うため、一般的に都会の法務局の方が地方の法務局に比較して、登記完了まで日数を要します。

また、都会の法務局はもちろん、地方の法務局であっても繁忙期となると完了まで日数を要します。

特に年末、年度末は(地方であっても)申請件数が増えることが多いため、場合によっては完了まで3週間先、といったこともあります。

そのような特殊要因がなければ、経験上、申請から10日前後で完了することが普通であるため、そのようにお伝えしているところです。

4.補正にかかると・・・

上述のとおり登記完了までにはある程度の日数がかかります。

都会か地方か、繁忙期か閑散期か、といった要因は致し方ないのですが、申請人側で避けなければならない(避けることができる)のは、いわゆる「補正」に引っかからないことです。

補正とは申請人側の何らかのミスで、補正となると、それを是正するよう法務局から指示がされます。

申請書、添付書面の記載ミス

文字が違う、漢字の変換ミス、書き間違いなど

添付書面の不足

戸籍謄本の一部がついていない(書類の取り忘れ含む)

登録免許税の過不足

税額の計算ミス、計算方法の相違

 

以上のような補正事項が是正されないと審査はストップしたままです。審査は再開されず、したがって登記は完了しません。

その分、余計な日数を要してしまうので、補正にかからないよう申請前は入念なチェックを行います。

5.まとめ

登記申請後には、法務局での審査があります。

本当に申請どおりの登記をしてもよいかどうか、チェックするのです。

厳格なチェックにより、登記制度の信頼性が担保されています。

ただ、審査するのは人間、法務局の職員なので、どうしても法務局間の申請件数や地域差によって完了日数にバラつきが出てしまいます。

また、申請内容のミスなどで補正となってしまうと、その分完了が延びてしまうので、ご自分で申請する場合は申請書、添付書面を入念にチェックし、完璧な状態で出すよう心がけましょう。

プロに任せてミスなく終えたいというのは当然として、登記を早めにしなければならない事情があれば(相続した物件を売却予定)、専門家に依頼することをオススメします。

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