戸籍を請求する際に交付申請書には本籍地とあわせて筆頭者を記載します。
以下では、この筆頭者とは何なのか、を解説します。
1.戸籍の筆頭者とは
戸籍を見ていただけばわかると思いますが、筆頭者とはその戸籍の先頭に記載されている者で、その戸籍の代表者といっていい存在です。
家族全員(妻、子)は筆頭者の氏を名乗ることになります。
もっとも、戸籍には「筆頭者」との記載がされているわけではないため、「先頭に記載されている者が筆頭者」と覚えておけばよいでしょう。
2.戸籍は「家族」単位で構成される
現在の戸籍法のもとでは、戸籍は1つの家族単位(1組の夫婦とその子)で構成されます。
一般的には、夫が戸籍の筆頭者になり、順に妻の記載、子の記載がされていきます。
3.昔の戸籍は「家」単位
一方、旧戸籍法のもとの戸籍(昭和23年以前の戸籍)をみると、1つの家族単位ではなく、その一族単位で構成されています。
これは、当時の戸籍は「家」制度を基礎としていたためです。
昔の戸籍は戸主(家長、今の筆頭者のようなもの)が先頭に記載され、親や兄弟姉妹は当然として、孫や、おじ、おばも記載されていました。
それら一族が戸主に従う形で家単位で構成され、戸籍が編製されていました。
4.筆頭者と世帯主は違う
間違えやすいものとして、「世帯主」があります。
実は戸籍に出てくる筆頭者と、住民票に出てくる世帯主は意味が異なります。
筆頭者は前述のとおり、戸籍における代表者のようなものです。
他方、世帯主とは、同じ場所や同じ家に住み(世帯)、その世帯で生計を同じにしている人たちの代表者のようなものです。
戸籍は前述のとおり、1つの世代での家族(妻と子)で構成されます。
親と、婚姻している子の戸籍は別々に編製されます(家族単位)。
一方、世帯の場合は、その世帯に一緒に住んでいれば、妻や子に限らず、親の世代や兄弟姉妹もその世帯の一員として構成され、記載されます。
筆頭者と世帯主は必ずしもイコールではありません。
夫が戸籍の筆頭者なのに、妻が住民票の世帯主となっている場合もあります。
戸籍を請求する際に筆頭者を記載しますが、世帯主が当然に筆頭者とはならないことに注意しましょう。
5.筆頭者が分からないときは
筆頭者が分からない場合は、住民票を確認すれば分かります。
住民票を請求する際に、筆頭者入りで請求すれば、住民票には筆頭者の記載もされます。チェックボックスがあるため、そこに忘れずにチェックを入れます。
チェックを入れておかないと、筆頭者の記載は省略されます。
6.まとめ
戸籍を請求する場合、申請書には筆頭者の記載と、本籍地の記載が必要になります。
役所は筆頭者と本籍地をセットで管理しているため、どちらかが分からなければ発行してくれません。
筆頭者とは、その戸籍の代表者のようなものです。
筆頭者がどうしてもわからない場合は、まず、筆頭者入りの住民票を取ってみることです。
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