1.予納郵券とは?
相続放棄や成年後見人の選任を家庭裁判所に申し立てる場合、申立時に切手を予納する必要があります。
これを「予納郵券」といい、家庭裁判所から送られてくる郵送物(審判書や照会書、事務連絡など)に、この予納した切手が使われることになります。
案外、勘違いしている方がいるのですが、家庭裁判所が切手代を負担してくれるわけではありません。
2.予納郵券の額は?
この予納郵券、やっかいな点として申立の内容ごとに「◎◎◎円」と法律などで決まっているわけではなく、管轄の家庭裁判所ごとで違ってきます。
また、切手を予納する必要がある場合であっても、その組み合わせも事細かに指定されています。
100円は3枚、84円は10枚、2円は5枚・・・といった具合です。
したがって、たとえば組み合わせが84円10枚、10円10枚と指定されているのであれば、94円切手10枚ではなく、84円10枚、10円10枚の組み合わせで予納します(合計額は同じですが、組み合わせどおりに予納する必要があるので)。
予納郵券の額と組み合わせについては、申立前に提出先の家庭裁判所に確認しておく必要があります。
最近では、予納切手の額、組み合わせをホームページ上で公開している家庭裁判所も出てきましたが、載せていない家庭裁判所も多いので、電話で確認した方が早いかもしれません。
なお、申立書に貼る収入印紙の額は管轄の家庭裁判所に異なることはなく、その金額は事件ごとに決まっています。
3.予納郵券は貼って出さない
予納郵券は家庭裁判所からの郵送物に貼られるものなので、申立の際にどこかに貼っておく、というものではありません。
決められた額、組み合わせで提出するだけで問題ありませんが、そのまま裸で入れておくと散らばってしまうので、切手を購入した際についてくる袋に入れ、申立書にクリップではさんでおくとよいでしょう。
4.予納郵券が余ったら
予納郵券は家庭裁判所からの連絡用で使用されるので、余ることもあります(むしろ余ることの方が多いです)。
余った場合は、事件完了に伴って返還してくれます。
逆に、事件が進んでいく中で郵送物が増えてしまい予納した郵券では足りなくなった、ということもあるので、その場合は追加で予納するよう指示がされます。
5.まとめ
家庭裁判所に手続きを申し立てる場合には、予納郵券もいっしょに出す必要があります。
その額や組み合わせは、管轄の家庭裁判所によって違ってくるので事前に確認しておくとよいでしょう。
成年後見人選任申立の場合などは3500円前後の切手額になりますが、組み合わせが複雑なので、間違えないようにすることです(間違えるとその不足切手分を送るためだけに郵送しなければならない)。
もちろん、手続きを司法書士に依頼すれば司法書士のほうで用意してくれます。