相続が開始すると、名義変更など各種手続きを行う必要が出てきます。
司法書士に相談、依頼する前に以下について準備しておけばその後の手続きを進めやすいですので、簡単にご紹介します。
相続人の間での意向確認、合意形成
遺言書がない中で遺産を相続したとなると、普通は相続人の間での遺産分割となります(法定相続分での相続はあまりないため)。
司法書士に相談、依頼する前に、相続人の間で遺産をどうするかについてある程度話し合っておくと、準備していただくもののご案内や、書類作成などを速やかに進めることができます。
もちろん、「だれがどう相続すればよいのか分からない」ということでしたら、最適な相続方法をご案内いたします。
実印登録をしてもらう
相続人の間ではすでに合意ができている、話し合いはついているということであれば、後々、手続きに際して相続人の実印・印鑑証明書が必要となってきます。
役所に実印登録をしていない相続人がいるのであれば、早いうちに登録してもらうよう、依頼をしておくとよいでしょう。
なお、印鑑を登録する場合、以下のものは登録できない可能性があるため、要注意です。
・ゴム印など、変形が想定されるもの
・他の者の印鑑と似ている(ほぼ同じ)印鑑
・氏名とは異なる文字があるもの
・所定の大きさに合致しない印鑑(大きすぎる、小さすぎる)
なお、印鑑登録に際して、官公署発行の顔写真付き身分証明書(運転免許証、マイナンバーカードなど)を提示できない場合、登録するためには文書照会(本人の住所あてに照会書が届くので、回答のうえ健康保険証などを同封して返送)がされることがあるため、その分、登録まで日数がかかることになります。
詳細は、登録する役所、役場に確認する必要があります。
印鑑登録については<押した印鑑が実印とは違う場合の対処法>もあわせてご覧ください。
印鑑証明書を準備してもらう
登録済みの相続人に対しては、印鑑証明書が必要となることを伝えておいて、早い段階から取得してもらってもよいでしょう。
登記手続きにおいては印鑑証明書に有効期限はありませんので、相続手続きが登記だけということであれば、早々に取得してもらっても特段、不都合はありません。
ただし、金融機関に印鑑証明書を提出する場合、各金融機関で期限を設けているため(3か月のところもあれば、6か月のところもあり)留意しておく必要があります。
なお、印鑑証明書以外の公的書面(戸籍謄本、住民票など)は、司法書士が職務上の権限で取得できます。