
1.相続についてのお尋ねとは
被相続人が亡くなってから6、7か月ほど経つと「相続についてのお尋ね」という文書が税務署から届くことがあります。
人が亡くなると、市区町村からその情報が税務署に通知されます。
税務署は、その情報をもとに亡くなった方の登記情報や口座情報などを調査することがあります。
また、過去の固定資産税や所得税などの納税状況、確定申告書を確認のうえ、相続税の申告が必要となる可能性のあるケースについて、「相続についてのお尋ね」を相続人に送ります(したがって、発生したすべての相続が対象ではありません。)。
このお尋ね、その相続について相続税の申告が必要かどうかを簡易的に判定するためのものです。
お尋ねの文書に必要事項を記入していけば、相続税の基礎控除額を超えているかどうかを簡易に判定できる仕様になっています。
相続税の基礎控除額を超えるようであれば申告が必要になってきますので、税務申告、納税に向けて準備をすることになります。
2.お尋ねが届いても相続税がかかるとは限らない
相続があってから数か月後、突然、税務署からこのような通知が送られてくると、相続人としては「相続税がかかってしまう」と驚かれることでしょう。
しかし、お尋ねが届いたからといって、必ず相続税の申告が必要となるわけではありません。
実際、お尋ねが届いたとしても申告の必要がないケースも多いです。
あくまで申告が必要かどうかを判定するためのチェックシートなので、必要事項を記載のうえ、相続税の申告が必要となれば、期限内に申告をすればよいのです。
なお、小規模宅地等の特例など、相続税の特例を使った結果、相続税がゼロとなった場合は申告が必要になります。
3.お尋ねを返送しないと
このお尋ね、提出義務はありません。
また、お尋ねを無視したことによる何かしらのペナルティーはありません。が、無視することに何もメリットはないため、オススメしません。
お尋ねが送られてきたのにちゃんと返送しないと、税務署からあらぬ疑いをかけられる可能性があります。
書き方などはそれほど難しくはないと思いますので、被相続人の財産を正確に、隠さず書くことです。
税務署もどのような財産がいくらくらいあるのかは、ある程度把握していますので、ウソを書いてもすぐにバレます。
正確に書いた結果、相続税の基礎控除額を超えている(もしくはギリギリのライン)ようであれば専門家に相談すればよいのです。
また、書き方が分からない場合は、税務署に問い合わせると教えてくれます。
4.まとめ
税務署から相続のお尋ねが送られてきたとしても、慌てずに必要事項を記入のうえ、必ず返送しましょう。
お尋ねが来たからといって、絶対に相続税がかかる、というわけではありませんが、簡易判定の結果、相続税の基礎控除額を超えるようであれば専門家に相談することをオススメします。