相続による名義変更登記の際にかかる登録免許税とは

登記をする際には申請書や添付書面を法務局に提出しますが、その際に「登録免許税」という税金を法務局に納める必要があります。

1.登録免許税とは

相続登記に限らず、登記をするには登録免許税がかかります(一部、登録免許税が免税・非課税になるものもあります)。

これは国税の一種で、いわば法務局に支払う手数料のようなものです。どこの法務局であっても、だれが手続きを行っても一律でかかってきます。

登録免許税には、以下の2種類があります。

定率課税

固定資産税評価額に一定の税率を乗じた金額が登録免許税になります。

登録免許税=不動産の固定資産税評価額×税率

定額課税

不動産の個数に一定金額を乗じる定額課税があります。

登録免許税=不動産の個数×1000円

たとえば、土地1筆、建物1棟に設定されている抵当権を抹消登記する場合、不動産2個に1000円を乗じた2000円が登録免許税になります。

2.登録免許税率は

定率課税の場合は一定の税率を乗じるということですが、その税率は登記の種類によって変わってきます。

たとえば、土地の売買による名義変更登記であれば、固定資産税評価額の1000分の15となります(本来は1000分の20ですが、令和3年3月31日までの特例で軽減されます。もっとも、期限間近になると毎回延長されます)。

建物の売買や贈与による名義変更登記であれば2%です。

3.相続登記の登録免許税率

相続登記の登録免許税率は1000分の4となります。他の登記に比べ、低く設定されています。

贈与に比べると5分の1です。

4.相続登記の登録免許税が免税となる場合

また、土地を相続した相続人が登記をしないまま死亡した場合で、その死亡した相続人名義にする場合、相続登記の登録免許税が免税となります。

たとえば、父親が死亡し、母親と子が相続人のなか、遺産分割協議で母親が不動産を相続したとします。

しかし、登記をしないまま、母親が亡くなった場合に、その母親名義に登記する際の登録免許税が免税となります(死者名義の登記も可能なので、母親名義の登記も問題ありません)。

母親から子の相続登記は原則どおり登録免許税がかかります。

◆父親→母親の相続登記は登録免許税が免除

◆母親→子の相続登記は登録免許税がかかる(税率は1000分の4)

なお、この免税措置は土地のみが対象です。建物の場合は免税されません。

この制度の適用を受けたければ、申請書に「租税特別措置法第84条の2の3第1項により非課税」と記載することが必要です。

この例外措置は令和3年3月31日までです。(法務局ホームページ)

5.登録免許税算出の手順

登録免許税算出のための計算手順は、次のとおりです。計算手順は相続や売買、贈与などすべての登記に共通します。

①最新年度の固定資産税評価証明書または固定資産税納税通知書に記載されている評価額を確認

「固定資産税評価証明書」は不動産所在地の役所、役場の担当係で300円ほどで取得できます(物件が多い場合はさらに費用がかかる場合があります)。

その際には所有者の相続人であることを証明する必要があるため、戸籍謄本を準備しておくことです。

「固定資産税納税通知書」は不動産の所有者宛に毎年5月、6月ごろ役所から送られてきますので、確認しましょう。

②その評価額から1,000円未満を切り捨てる

③切り捨てた金額に税率1000分の4をかける

④税率をかけて出た金額から100円未満を切り捨て、その金額が登録免許税となる

なお、1,000円未満であれば1,000円となります(登録免許税の最低金額は1,000円)。

6.具体的な算出方法

たとえば、評価額が12,345,600円と記載されているとします。

この金額から1,000円未満を切り捨てます。

切り捨て後の12,345,000円を課税価格とし、そこに税率をかけます。

12,345,000円×1000分の4=49,380円となります。

ここから100円未満を切り捨てると、49,300円となり、この金額を登録免許税として納めることになります。

7.登録免許税の納め方

登録免許税の納め方は3パターンあります。

①現金納付

納付書を使い、銀行または税務署に現金で納付します。実務上、あまり取られない方法です。

②印紙貼付用台紙に貼る

台紙(A4の紙)を用意し、そこに収入印紙を貼る方法が実務上、一般的に行われています。

貼った印紙には消印、割印しないまま提出します。売買契約書などの場合は貼った印紙に割印しますが、それと混同しないように気を付けることです。

③電子納付

登記をオンライン申請した場合にインターネットバンキングなどで電子納付する方法です。

なお、オンライン申請であっても①②の方法で納付できます。

8.まとめ

相続や売買などの原因を問わず、登記をする際には(免税や非課税の場合を除き)司法書士の報酬とは別に登録免許税が必ずかかってきますので、想定外の税負担を感じる場合があります。

「登記をするには税金がかかる」といった意識を持つことが重要でしょう。

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