番地が違う?戸籍訂正許可って?

相談事例

相続手続きのため、戸籍を集めているところなのですが、よくよく見てみると、改製原戸籍と現在の戸籍の本籍地の番地が異なっています。

誤記ではないかと思いますが、この場合、このまま有効な戸籍として扱ってくれるのでしょうか。

それとも事前に訂正してもらう必要がありますか。

1.戸籍の誤記とは

相続手続きにおいて、必須のもの、それは戸籍謄本です。

相続登記、預貯金の解約、死亡保険金の受領などにおいて、まずは相続人がだれかを証明する必要があるため、戸籍謄本から被相続人の相続人を確認していき、証明していくことになります。

すべてを取り揃えるには手間、労力がかかりますが、確実に相続人を探し出すためには必要なものになります。

ところが、その戸籍の内容について相談事例のように、まれに記載の間違っているものがあります。

それは番地だったり、名前だったり、続柄(長男なのに次男との記載)であったりします。

昔の戸籍は当然、コンピューター化されていませんでした。すべて手書きです。コンピューター化してあとであっても入力は人間がしています。

しかし、なんらかの勘違い、見間違いや改製に伴う記載ミスなどで「誤記」が生じることがあります(人間のすることなので、致し方ない部分もあります)。

当然、戸籍の記載内容が間違ったままでは相続手続きを受け付けてくれません。

相続手続きの前に戸籍を正しい内容に訂正してもらう必要があります(なお、提出先が銀行など民間の場合は、戸籍の記載ミスに気付かないで手続きが完了することがあります。かたや法務局や家庭裁判所においては戸籍の誤記を見逃す可能性は非常に低いでしょう)。

2.訂正方法

戸籍誤記の訂正方法ですが、以下のとおり誤記について市区町村側に責任があるかどうかで対応が異なってきます。

誤記が市区町村側のミスである場合

誤記が市区町村の担当者の書き間違いや入力ミスなど、市区町村側に責任がある場合は、法務局の戸籍訂正許可により訂正されます。

誤記を市区町村に届出たあとは、訂正されるのをただ待つだけです。役所側の方で正しい記載に訂正してくれます。

誤記が市区町村側のミスでない場合

戸籍内容の届出をした者の届出ミスなど、誤記が市区町村側のミスではなく届出者側にある場合は、対応が異なってきます。

訂正してもらうための手間が増えてしまいます。

この場合、家庭裁判所の戸籍訂正許可の審判が必要になってきます。そのため、戸籍の利用者側(相続人などの利害関係人)において家庭裁判所に申立てが必要となります。

では、なぜ家庭裁判所の許可がいるか。

これは、勝手に戸籍を訂正されてしまう事態を防止するためです。

家庭裁判所などの許可なく自由に訂正できるとなると、そもそも記載が正しいのに、だれかが勝手に、自分の都合のいいように訂正を申し出て戸籍内容を訂正できてしまいます。

そのような問題、不測の事態が起きないようにするため家庭裁判所の許可を必要とするのです。

許可の審判がおりてから2週間するとその審判が確定します。確定により、実際の戸籍訂正に進むことができます。

つまり、審判確定後1か月以内に「審判書」と「審判確定証明書」を役場に提出、届出をして晴れて戸籍を訂正してもらうことができます。

家庭裁判所の申立てから審判確定、役場での戸籍訂正の届出、そして正しい戸籍の発行まではある程度の期間を要することになるため、相続手続きを急いでいる場合には留意する必要があるでしょう。

なお、勘違いしやすいところとして、氏の変更があります。

家庭裁判所の許可を得れば氏を「変更」できますが、他方、そもそも間違っていたケース、つまり誤記の場合は「訂正」を求める手続きです。

3.まとめ

様々な場面で登場する戸籍謄本。

取り進めていくと、戸籍内容の誤記に遭遇するケースもまれにあります。

その誤記が軽微なものや市区町村側のミスであれば、法務局の許可を得たうえで訂正がされます。

一方、届出者側のミスや真意に基づかない届出により戸籍に記載された事項については、家庭裁判所の戸籍訂正許可の審判が必要となってしまいます。

そうなってくると想定外の日数を要することになりますので、早めの対応が求められるでしょう。

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