字が書けないと遺言書は作成できないか?

1.遺言書、字が書けなくても作成できる?

高齢のためであったり、病気やケガの影響などで字が(うまく)書けない人は遺言を書くことができないのでしょうか。

遺言をする意思はあっても実際に書くことができなければ、遺言書を作成できないと思われている方がいますが、確かに自筆証書遺言においてはそのとおりです。

自筆証書遺言は法律上の要件として遺言者本人が全文を自書する必要があるため、字が書けない場合は作成できません(ただし、財産目録を「添付」する場合、その財産目録は自書でなくても可)。

ここで出てくるのが公正証書遺言。

公正証書遺言は公証人に遺言内容を伝えれば、公証人がそのとおりに全文を作成します。

したがって、自ら字を(うまく)書くことができなくても遺言内容を理解できるだけの判断能力(遺言能力)が備わっていれば、有効に遺言を作成することができます。

2.署名もできない場合は?

公正証書遺言は遺言者と証人2名が署名、押印します。

この署名ですが、きれいに書く必要はまったくなく、ある程度判読できるレベルで構いません。

したがって、病気などで手が震えてうまく字が書けない場合であっても、それほど問題となることはありません。

もっとも、まったく字が書けない人の場合はどうなのか。

そのような事情のもとであれば、公証人において遺言者の署名に代えることができます(公証人が代筆)。

なお、字が書けるのに署名しない場合、公正証書遺言は有効に成立しませんし、正当な理由なく署名しない場合であっても公証人の代筆はできません。

3.まとめ

字が書けないことを理由に遺言書の作成をあきらめている人もいるのではないでしょうか。

その場合、公正証書遺言によれば字を書くことができなくても作成可能です。

遺言は相続対策にも有用であり、遺言者の最終意思を表明するものでもあります。

「高齢のため手が震えてうまく字が書けない」

「病気(ケガ)で字が書けないから遺言書はあきらめていた」

これらの理由で遺言書作成をちゅうちょしている方、あきらめていた方は公正証書遺言で作成することをオススメします。

なお、自宅や入院先などへの公証人出張制度もあります。ただし、出張に伴って公証人の費用が割増になります。詳しくは<公正証書遺言の作成費用は?>

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