利害関係人からの請求は?相続放棄申述受理証明書の取得方法

1.相続放棄申述受理証明書

相続放棄の申述が受理されると、相続放棄申述受理通知書が家庭裁判所から送られてきます。

相続放棄の申立てが審理された結果、相続放棄の審判がされたということです。

では、相続放棄がされたことをどうやって証明するか。

そこで、この相続放棄申述受理通知書を使って債権者や市区町村役場に対して相続放棄が受理されたことを知らせます(再発行されない書面なため、紛失には気を付けましょう)。

債権者は、その知らせを受けたことにより相続放棄がされた事実を知ります。以降、請求を受けることはなくなるでしょう。

債権者は基本的にこの受理通知書で対応してくれますが、場合によっては「相続放棄申述受理証明書」(証明書であって通知書ではありません)が必要になってきます。

文字どおり、相続放棄申述受理通知書は、受理されたことを通知する書面です。あくまで証明書ではありません。

言葉は似ていますが、相続放棄申述受理通知書と相続放棄申述受理証明書は違う書面なのです。

債権者によっては、通知書では納得、対応してくれない場合があり、この証明書まで要求してくることもあります(通知書であっても相続放棄がされた事実が記載され、家庭裁判所の書記官の印も押されているにもかかわらず)。

ただ、この受理証明書は家庭裁判所が自動的に発行、交付してくれず、欲しければ自らが申請する必要があります。

2.相続放棄申述受理証明書の交付申請方法

通知書では対応できないとなったら、証明書の交付申請をしましょう。

証明書の交付申請、取得は家庭裁判所の窓口はもちろんですが、郵送でもできます。

相続放棄を申立てた家庭裁判所(被相続人の最後の住所地)に以下の書面を提出します(場合によっては追加で求められることもあります)。

①受理証明書の交付申請書(印紙150円を貼ったもの)

申請書は、受理通知書が送られてきた際に通常は同封されています。

②申請人の身分証明書コピー(窓口交付の場合は原本提示です)

③返信用封筒、返信切手(窓口交付の場合は不要です)

①②③を同封し、郵送します。参考として受理通知書のコピーも送ると親切でしょう。

10日ほどで証明書が送付されてきます。

受理通知書とは異なり、印紙代がかかりますが申請すれば何度でも交付され、取得可能です。

3.第三者が請求することは?

この相続放棄申述受理証明書ですが相続放棄した本人以外の、利害関係ある第三者も請求可能です。

たとえば、利害関係人としては以下の者が典型的です。

◆被相続人の債権者

債権者としては、だれに請求すればよいのか、そもそも本当に相続放棄しているのかを確認する必要があるため、利害関係があるといえます。

◆相続放棄していない他の相続人

相続放棄していない他の相続人が名義変更などの相続手続きを行う際には相続放棄申述受理通知書(もしくは証明書)が必要ですが、それを本人が交付してくれない場合には、他の相続人が交付申請する必要があります。

4.事件番号が分からない場合は

利害関係人からの請求の場合、利害関係を証する書面として、借用書や戸籍謄本などを提出し、交付申請書には相続放棄が受理された事件番号を記載する必要があります。

事件番号とはその申立て案件の管理番号のようなものです。

家庭裁判所としても、事件番号が分からなければ対象の受理証明書を特定できないため(または特定に時間がかかる)、発行、交付ができません。

ただ、利害関係人は、その事件番号を知らないことが普通です。むしろ、第三者が事件番号を知っていることはないでしょう。

申述人本人が教えてくれれば問題ありませんが、必ずしも教えてくれるとは限りません。非協力的な場合もあるのではないでしょうか。

ではどうするかと言うと、まず、家庭裁判所に対して相続放棄申述の有無照会を行います。詳しくは<相続放棄がされているかどうかの確認方法は?相続放棄申述の有無照会>

この有無照会によって、相続放棄が受理されているかどうかの回答を受けることができ、受理されている場合は事件番号や受理年月日も回答してくれます。

これで、交付を受けたい対象の事件番号を特定できます。申請書に記載し、ほかに不備がなければ受理証明書の交付を受けることができます。

5.まとめ

相続放棄が受理されると家庭裁判所から相続放棄申述受理通知書が送られてきます。

基本的には通知書で対応、対処してくれる債権者の方が多いです。

また、相続登記の際に提出する場合、受理証明書ではなく、受理通知書でも対応可能になりました。以前までは受理証明書でなければなりませんでした。詳しくは<相続放棄者がいる場合の相続登記>

登記手続きの面において受理通知書でも対応可能になったため、証明書が必要になる場面は以前ほどそう多くはありません(弊所では、受理通知書でカバーできるのであれば受理通知書で進めていきます。基本的に受理証明書は債権者から要求された場合に取得するようにしています)。

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