えんぴつは?遺言を書く紙やペンには決まりがある?

相談事例

私の父が遺言書を残していたのですが、ハガキほどのサイズの紙に赤いペンで書かれています。

このような遺言書でも有効でしょうか。

1.書く用紙やペンに決まりはある?

自筆証書遺言は読んで字のごとく遺言者自らが「自筆」で書く必要がありますが、その用紙や書くペンになにか決まりがあるのか、といったご質問を比較的受けます。

結論から言って、民法は遺言書の方式については厳しく定めていますが、その用紙やペンのことについては何も規定していません。

したがって、使用すべき用紙やペンはなんでも構いません。

用紙は便せん、ノート、半紙などで問題ありません。

サイズも決まっていませんのでA4サイズに限らず、B5や、相談事例のようにハガキほどのサイズでも大丈夫です。

ただし、署名押印できるスペースは残しておけるようなサイズの用紙に書くことです。

また、自筆証書遺言は家庭裁判所の検認が必要になりますが、検認後、検認証明書(A4サイズ)が遺言書と合綴(ホチキスどめ)されるため、極端に小さい(大きい)紙はやめておきましょう。

ペンはボールペン、万年筆、筆ペンなど、色も黒以外、赤や青でも問題ありません。

法律上はえんぴつで書いても問題はありませんが、えんぴつで書いた字は劣化しやすく、改ざんも容易ですので、やめておきましょう。

2.書き方にも決まりはない

書き方も特に制限はないので、自由です。

縦書き、横書き、右から書いても、左から書いても内容が判断できれば問題ありません。

3.まとめ

用紙やペンは何でも良いといっても、通常、自筆証書遺言書は長期間保管されることが想定されますので、経年劣化に耐えうるものであることが大前提です。

また、相続人間で遺言書の有効無効を巡って争いが生じる可能性がありますので、広告の裏や、メモ用紙など、適当な紙に書くことはやめておきましょう。

関連記事