記載ミスがあった!遺言書の訂正方法

1.自筆証書遺言の内容訂正

自筆遺言書を作成したあとに、受遺者との関係性や自分の資産状況など諸々の事情が変わって遺言書の内容を変更したいといった場合があると思います。

また、書いた後になって記載ミスに気付くこともあるでしょう。

そのような場合、自筆遺言に限っては二重線で訂正するなどによってその部分を撤回したり内容を修正したりすることもできます。

しかし、偽造防止の観点からその訂正方法は法律で厳しく定められています。

具体的な手順、方法は次のとおりです。

①訂正箇所に二重線を引く

②二重線を引いた部分に押印する

③訂正箇所を示して変更した旨を付記する(たとえば第何条について何字削除など)

④③で付記した部分に署名する

以上の全てを満たす必要があります。

勘違いしやすいところですが、二重線を引いてそこに訂正印を押しただけでは訂正の効力は生じないのです。

1つでも手順を欠いていると、訂正とは認められません。

2.訂正方法に不備があると

この訂正方法を間違えると、訂正したことにはなりません。場合によっては遺言書自体が無効になる可能性もあります。

遺言書全体からみて明らかな誤記の訂正については、訂正方法が法律の方法と異なっていても(たとえば、二重線を引いてそこに押印しただけ)、有効とした最高裁の判例もありますが、何をもって明らかな誤記なのかなど、その判断に迷う可能性が高く、紛争の元になることが容易に想像できます。

単なる書き損じに限らず、訂正の必要が出てきた場合は、遺言書をあらためて書き直すことをオススメします。

3.公正証書遺言の内容訂正

公正証書遺言の内容を訂正したい場合は、原本が公証役場に保存されていますので、前述の方法での訂正はできません。

内容を訂正したい場合は、イチから作り直す必要があります。

なお、内容に変更がなく、単に誤記や脱字などの訂正の場合は公証役場に「誤記証明書」を発行してもらうこともできます。

たとえば、不動産の地番が間違っている、受遺者の名前が「一郎」のところ「一朗」となっているなど、誤記や脱字が明らかな場合は、誤記証明書で対応可能な場合があります。

ただし、「誤記証明書では対応できない」となっては後の祭りなため、遺言書を提出する予定の窓口に対応可能かどうかを念のため確認しておくことです。

4.遺言書を撤回したい、書き直したい

遺言書自体を撤回したい、いっそのことあらためて書き直したい、といった場合もあると思います。

遺言書は最終のものが優先されますので、たとえば、イチからすべてを書き直した場合は、書き直し後の遺言書のみが有効な遺言書となります。詳しくは<遺言は取り消せる?撤回方法は?>

5.まとめ

遺言書の訂正は要件が厳しく細かいため、訂正自体の要件不備で認められないおそれがあります。

遺言書の記載ミスや訂正箇所が出てきた場合は、できれば訂正の方法ではなくイチから遺言書を作成し直すことをオススメします。

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