1.電子マネー、ポイントの相続
いまや使わない日はないといってもいいくらい電子マネーは社会に浸透、一般化してきました。
身近なものとしてはSuica、PASMOなどの交通系マネーをはじめとして、WAON、○○ペイなど様々です。
さらにはキャッスレス決済による還元政策で、現金で支払うことが少なくなってきたのではないでしょうか。
海外に目を向けると、キャッスレス決済の比率が韓国では90%以上、中国では60%以上ということです。
かたや日本はいまだ20%ほど。
では、その電子マネー、相続の対象になるのでしょうか。
お金と同じようなものとしてみれば、相続の対象になってもおかしくはありません。
2.基本的に各社の規約による
実際のところ、電子マネーやポイントを相続できるかどうかは、各社の規約によりますが、どちらかというと会員本人の死亡により権利が消失する、と定めているところが多いです。
ただ、SuicaなどのIC乗車券については、無記名式であれば駅の窓口に行けば簡単に払い戻しに応じてくれます。
一方、記名式の場合には、相続人であることを証明する必要があるため、戸籍謄本などが必要になってきます。
もっとも、チャージ金額の上限が2万円なので、何かのついでにするのならまだしも、それだけのために書類を集めて、窓口に行ってと考えると、「わざわざそのような手続きをするくらいなら、そのまま放置する」ことになるのではないでしょうか。
一方で、○○ペイなどは、規約で残高については相続されない旨を規定しているところもあります。
交通系ICカードとは違い、その金額も何万円、何十万円となる場合もあるのではないでしょうか。そこまでいくと無視できない金額となります。
ただ、規約に相続できないと書いてあるから一切受け付けないといったわけではなく、個々の事案ごとに柔軟な対応をしてくれるところもあるようです。
今のところは基本的に本人死亡により利用資格が消失し、ポイントも消失すると考えてよさそうです。
3.有効期限のあるものも
中には、一定期間使用しなければ自動的に失効してしまうものもあります。
代表的なものは、家電量販店のポイントです。
一般的には2年間利用が無ければ失効するため要注意です。
4.JAL、ANAマイレージの相続は可能
マイルの相続については、JALやANAのマイレージ規約において可能、と規定されています。
ただし、ANAは相続開始から6か月の期限がありますので要注意です。この期限を過ぎると失効してしまいます。
JALは期限はないようです。
詳細は各社に問い合わせた方がよいでしょう。
5.まとめ
電子マネーの相続は、あまり一般化、認知されていないことに加え、少額のことが多く、目に見えるものでもないため現金・預貯金と比べ存在自体、判明する可能性が低いです。
また、相続できる電子マネーやポイント、相続できない電子マネーやポイントが各社の規約により対応が分かれるています。
手つかずのまま期限を迎える、といったことにもなります。
しかし、キャッスレス決済の比率上昇に伴い、今後、ますます電子マネーなどは市民権を得ていくことでしょう。
そうなると、相続発生により、その対応や手続きの場面が今以上に出てくることが予想されるところです。
いずれにしても、いまのところ各社で対応は異なるようなので、まずは事前に確認する必要があるでしょう。